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95 津山の叔母ちゃん、永遠に

9/30、津山の叔母ちゃんが88歳で急死した。

岡山県津山市で私は幼少時を過ごしたが
今に至るまでずっと叔母ちゃんは私を愛してくれた。

先週の夜も、台風で秩父がニュースに出ると
電話で気にかけてくれ、今月の鳥取の個展も
楽しみにしてくれた。
あまりの元気な声と高らかな笑い声に安心していたが
5回も手術した激痛の中だったようだ。

以前から母に、叔母ちゃんは百合の花が好きなので
百合の花の絵を描いてあげなさいと言われていた。
それ自体はすぐ描けたのだが、
私は佐々木サカヨさんという人柄を入れた自分の感謝のようなものを
取り込んで描きたかった・・でもまとまらないでいた。

30日の午後、昏睡状態の報を受けて、
途中の絵と共に津山へ向かったが、新幹線の中で訃報を聞いた。
絵も身体も間に合わなかった。

安らかな顔で眠っているかのような叔母ちゃんに
間に合わんでごめんな・・と詫びて
津山で一心に仕上げた。
カサブランカより山百合の方が
支えてくれた叔母ちゃんを感じる。

よく遊びに行った川をスケッチし、
そろそろ暮れかかる情景を全体のイメージとして
山百合と成った叔母ちゃんの花粉が水を輝かせ
星を瞬かせるという印象・・・。
橋は向こうまで絶えない心の道として続く。

私が幼稚園の頃
トイレは外で、当然汲み取りだった。
私は、そこの蓋を開けるのが不気味で
なおかつ、そこにしゃがんで用を足すのが
上手くできないことがあった。

以前、そのことを話すと
叔母ちゃんは
『博なあ、出来ないときは 大声で
おばちゃーんと呼びなさい。
おばちゃんがすぐに行って、助けてあげるよ』と言った。
でも、そんな恥ずかしくて汚いことを頼めるわけがないと思っていた。

あるとき、いくら力んでも出なくて
ついにはお腹が痛くなって、降りられなくなって
おばちゃんを、言われたとおりに呼んだら

叔母ちゃんはすぐに駆けつけてくれて
お尻と腰を押さえて
無事用を足せたのである。

本当に汚い話ではあるが
それほどに叔母ちゃんは
私を愛し
いつも笑顔で私を励ましてくれたのだ。

大好きな叔母ちゃん
どうか、安らかに。

『叔母ちゃんは山百合となって』

紙に交響水彩 四つ切サイズ

この絵は、おばちゃんと共に棺に入れて10/3に旅立った。


95     津山の叔母ちゃん、永遠に_e0097512_18233835.jpg

by art-komoto | 2011-10-09 18:30 | People 人との出会いは宝