人生の縁側の陽だまりで出会った素晴らしき人や関わった猫。絵画作家 香本博の 日常と制作の狭間での心の樹海


by art-komoto
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02  山中隆太郎 武甲山のような巨人が逝く

昨日、ひとりの巨人が脳溢血で逝った。

山中隆太郎(やまなか りゅうたろう)

秩父在住の建築家であり
黒澤明の映画『八月の狂詩曲』の影の主役
とも言える家(オープンセット)を作った人。
銀座の秩父錦や珈琲道ぢろばたなど
数多くの名作をデザインし制作した作家。

秩父を愛し、武甲山を愛し、樹を愛し、
家族と人を愛し
芸術を愛した。

私の個展を何回も観てくださり
岡山の個展まで駆けつけてくれた。
自作の額縁も無償で制作していただいた。
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13年前に父を亡くした私にとって
秩父の父親のような人。
自画自賛せず
過去の栄光に固執せず
常に新しい風を愛した。
私の絵も そう評価してくれた・・
でも厳しかった。
軽く見える・・時にはそう評した。

12月の銀座の個展を
来年9月の沖縄の個展を
心から楽しみにしてくれていたのに・・
恩返しのまねごとの一つさえ出来ぬまま
逝ってしまった。
本当にごめんなさい。

自宅で眠る山中隆太郎さんの顔は
あまりに安らかで
幸せそうな笑顔にさえ見えて
『なんだ、香本さん来てたのか。絵は出来たのか?』
と起き上がってきそうだった。
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昨日 秩父は終日強風だった。
晴天の深夜の空は
ひっそりと美しい群青色に染められていた。
どっしりと武甲山のシルエットが
勇壮に浮かび上がって見えた。
山中さんが自分を見ているように見えて
立ち止まった私に熱い想いが込み上げてきた。
作家 山中隆太郎は
まさに そのような巨人だった。
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by art-komoto | 2006-10-09 09:20 | People 人との出会いは宝