人生の縁側の陽だまりで出会った素晴らしき人や関わった猫。絵画作家 香本博の 日常と制作の狭間での心の樹海


by art-komoto
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カテゴリ:Cat 猫 ネコとの縁( 56 )

30 嬉しい嬉しい

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寒い朝だった。
ダンボールに入れられたまま、工業団地の敷地に投げ込まれた猫
アメショー2匹
見つけたとき1匹は、すでに凍死していた。
逃げて隠れていた猫は、私に向かって来た。
そのとき、そこにいたのは私だけではなかったが
何度も私のところに来た。
仕方なく・・というのも飼う気持ちが無かった・・
その3ヶ月前に、18年共に過ごした飼い猫ミーが逝ったばかりだったからだ。
どうしても ミーの残像の中に暮らしていて
この 命拾いした猫に気持ちが入らず、飼い主を探そうかとも思った。
そんな気持ちを察したのか、アメショーの猫は ハニワのような目をしていた。
今考えると、それは『これから自分はどうされるのか』という恐怖や不安だったのかもしれない。
私たちが12月に、フーと名づけて飼うことにしてからも
どうも、ミーの優秀さと比べてしまう自分がいた。
そんなおり、以前の猫では一度も見せなかった行動を
帰宅して玄関を開けたときに フーがした。
頭を床に斜めにこすり付けて、おどけた仕草で笑わせようとするのだ。
本人(彼女)は 帰ってきてくれて嬉しい嬉しいということなのだろうか。
ここには、死んだミーの代わりではない、個性を持った命
ハニワではない、愛くるしい目フーがいたのだった。
『陽だまりの夢』個人所蔵
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by art-komoto | 2009-08-01 19:46 | Cat 猫 ネコとの縁 | Comments(0)

26 銀座に還ってきたミー

銀座の生ゴミと共に捨てられた猫ミーは
縁あって私と共に18年生きて、一昨年天寿を全うした。
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by art-komoto | 2009-04-20 16:05 | Cat 猫 ネコとの縁 | Comments(0)
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18年近く連れ添った飼い猫の
ミー君が死んでから、約半年になった。

裏の墓に眠らせるとき
記念樹として
ミモザアカシアの細樹を植えた。

先日、黄色い雪洞のように
墓を守るかのように
咲いてくれた。

ミモザアカシア 咲きました!

ミモザアカシア 咲きました!

嬉しくて
臨時ニュースのように
番組をさえぎって流したい。

私の生活の中の
それは
号外なのだ。

あいつは霊のように
ふわふわとなんかいない。

ミー君は死んだのだ。

でもあいつは
土に還っている
そしてその土は
鮮やかに黄色い花を咲かせた。

ミーの土は
命を産み出す暖かい土なのだと。

あの花は
ミー君の勇気ある生き様を思い起こさせてくれる。

あの黄色い花の樹は
心の夜海で自分がポツンとした際
灯台となるだろう。
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by art-komoto | 2007-04-07 16:39 | Cat 猫 ネコとの縁 | Comments(0)
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ミーと私は18年近く共に生きた。
最後まで、2階で眠る私を起こしに
急な階段を、朝登ってきた。

血液中の酸素を送る物質が不足し
時折体をばたばたと痙攣させた。
心配なので地元の病院で
点滴のビタミン補給で入院させていた。

吉祥寺の個展の2日目だった。
その日、西武秩父駅に向かうときに
病院から電話があった。
よもや・・予感があった。
ミーが危篤状態・・。
容態を聞くと、来られるまで間に合うかどうか・・
すぐさま病院に向かった。

ミーは日中なのに瞳孔が開き
死の影の匂いがしていた。
私が声をかけると叫んだ!
ミーのアクションが医師に気づかせ
電車に私が乗る前に
この日に自宅に帰化できるように
したのだと思う。
ミーが私たちを呼んだのだ。

自宅近く、車から降りたミー
もう意識(何を言ってるかわかる)はないと思いますよ
そう医師は話していたが
自宅に、我が家のある地に
戻ってきたのだということを匂いで嗅ぎ分けた。
ミー君!ミー君
二人で呼びかけた。
すると、まさにミーの目が治った。
開いたままの瞳孔が
もとの日中の瞳に戻ったのだ。

帰ってきたよ
お前の家に帰ってきたよ
私はミーを広い部屋に寝かせ
薪ストーブをつけた。
大好きだった薪ストーブの近くだ。
暖かい空気
燃える火の色の優しさ
木のはじける音楽
いつもミーは心地よく幸せそうに眠った。
ここだよ、ミー君。

パートナーが、ミーの好物だった食材を
手当たり次第に買ってきてくれた。
そして呑み込む力のない口への
スポイドも探してきた。
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薪のパチパチという音に
耳を動かせて反応させていた。
また瞳孔が開こうとする。
大声でミーに呼ぶ!
また目が戻りかかる・・
闘っている・・こいつは今
一生懸命、まさに命がけで闘っているのだ!
体が痙攣する
牙を剥いて唸るミー。

時折口をぱあっと開けたままにする
水をスポイドでやる。
飲んでいる・・まだ飲む力がある。
鱈のかけらは口にしないが
甘エビを指でつぶして口に押し込む・・
わずかに呑み込んだ。
美味しいか?ミー。
元気になってくれ!生きてくれ!

やがてパチパチという薪の音にも
ミーの耳は反応しなくなった。
ミーはのけぞっていた体を丸めるようにし
厳しかった目は眠るようにやすらかになった。

体に半分かけていた布団を開けると
大量の大便をしていた。
ちゃんとした、ゆるくない普通の便だった。
断末魔の今、いったいどこにそんな力が潜んでいたのか。
家に帰って
大好きな自分の居場所に横たわって
安心できたのだろうか。

暖められた空気の中で
ぐっすりと眠るように
2006年9月16日午後1時15分
ミーは逝った。
大往生だった。

最後まで闘ったミー
生きることを、生きざまを
私たちに見せ付けてくれた。
私たちは頬に流れる涙も拭かず
ミー君に感謝の杯を交わした。

家の庭の見晴らしの良い場所に
ミーを眠らせた。
記念樹に明るい黄色のアカシアの樹を植えた。
周りにも彼岸花の球根や百合などを植えた。
やすらかに土に帰っておくれ。

私は胸の痛みを感じていた。
病院から出て車に乗り込む前に
抱いていたミーが私の乳首を噛んだのだ。
意識が薄れる中で
私を噛むことで必死に自分と闘っていたのか。
あるいは私を体当たりで求めていたのか。
遅いぞ、この野郎!ということなのか。

いずれにしても
必死に生きていくことへの
ミー君のメッセージだったと思う。

ミー君は、こうして書いている私の
部屋の窓から見える場所に眠っている。
私の心に開いてしまった大きな穴は
なかなか塞がらないだろう。
でもミーは、私の絵を踏むことは無かった。
資料を汚したり、パレットの上を歩こうとしたことはあっても
留守中でも絵を汚したことは一度も無い。
よく餌をねだるミーだったが、絵画制作中は
近寄りもしなかった。

ありがとう、ミー。
今の俺を笑っちゃうよね。
こんなに弱い俺を。
絵を描く俺の背中をずっと見ていたミー。
何度も描かせてくれたミー
ありがとう。

ありがとう
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by art-komoto | 2006-10-29 08:54 | Cat 猫 ネコとの縁 | Comments(0)

06 ミーの生きざま 2

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幼い頃飼っていた猫が交通事故で死んだトラウマから
再び猫を飼うことに私は二の足を踏んでいた。
とりあえず里親が見つかるまで預かるという条件で
その幼猫を夜に連れ帰ったのだった。

風呂場で洗面器にぬるめのお湯を作り
まず体を洗ってやった。
すると尻のあたりから血が出ているではないか!
これは病気の猫だ!感染したのだろうか!

洗い落とした液体の匂いは血ではなく
なにか覚えのあるものだった。
そうだ!焼肉のタレだ。
こいつは生ゴミと共に捨てられて
タレが付いていたのだ。

私は急に、この小さな命が可愛そうになった。
でも飼う気にはなれなかった。
その後たくさんのバスタオルで体を拭き
乾かして、ミルクを与えた。

目を離したときに畳に粗相をした。
新聞紙は置いてあったが、
飼うつもりもなく、急な展開だったので
無論ネコ用のトイレも砂もなかった。
今考えると 粗相と言うよりわからなかったのだ。
でも当時の私は、掃除しながらそのことで怒った。
猫はドアに駆け寄り外へ出たがった。

そうか、出たいのなら出れば良い。
連れ帰ってやったのに
洗って綺麗にしてやったのに・・
他が良いなら、お前の自由にしろ
そのかわり、もう入れてやらないからな!
俺は元の生活に戻れる。
...してやった
...してやる
今は最も嫌いな言葉、最も嫌いな考え方だが
当時の私は、今より醜かった。

ドアを開けるとすぐさま幼猫は出て、階段を下りた。
私は”せいせいした”という気持ちと
小さい命を見捨てたような苦い思いを感じていた。
ドアは、スニーカー片方を挟んで
完全には閉まらないようにした。

うつらうつらして
10分から15分おきくらいにドアに近寄ってみた。
ドアの近くの部屋に休んでいるかも見た。
けれど何時間も あいつは帰ってこなかった。
12時になるようになって
私は、このままドアを半開きにするのは物騒だと思った。
もうこれだけしてやったんだ
帰る気があるなら、とっくに戻っている
俺より良い人に拾われた方が、本当に飼ってくれるし
幸せだろうよ。
私は自分に言い聞かせるようにして
ドアをしめて布団の中に体を埋めた。

急に寒さから起き上がった。
寝てしまった。
思わずドアを開けた!
・・・やはりいない・・・心配する俺が馬鹿なのか。
閉めようとしたその時
ミー、ミー
か細い声が足元で聞こえた。
見上げる幼猫の鼻水は凍っていた。
2月の午前2時頃だった。

私はその猫を抱きしめた。
パジャマの胸を開けてその中に入れてやり
一生お前の世話をするよ
もう二度と出したりしないと心に決めた。

私のぬくもりの布団に入って
すやすやとその小さな命は眠った。

私はその猫に、ミーという名前を付けた
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by art-komoto | 2006-10-28 09:37 | Cat 猫 ネコとの縁 | Comments(0)

01  ミーの生きざま

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2006年9月16日午後1時15分
18年近く生きた飼い猫のミー君が亡くなった。
潔(いさぎよ)い死だった。

約18年前・・
ミーは産まれて間もないような様で
銀座の生ゴミと共に捨てられていたのを
女性が見つけて連れ帰った。

LDを借りに小平市のビデオ店にいた私は
銀座から帰った店長の奥さんに抱かれた
ミーを初めて見た。
里親になってくれないか?
もちかけられた私は、即答で拒否した。

小学1年生の頃、私は墨田区の錦糸町の
アパートに住んでいた。
寝小便をしてしまった記憶と共に
想いだすのは、
泣きながら錦糸公園そばに
母親と共に墓を作って
タマを埋めたことだ。

家族一人ひとりの足音を聴き分ける
賢い野良猫を飼っていたのだが、
アパートの前で、3輪の自動車にはねられて
死んだ。
もう飼うまいと思った。
心を寄せたものの死
受け入れたくない苦しみ
幼い心にトラウマとして刻まれた。
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by art-komoto | 2006-10-08 10:59 | Cat 猫 ネコとの縁 | Comments(0)